募集費用5割の基準と、返礼品3割の決まり
2026-09-15 更新
総務大臣の指定を受けた自治体だけがふるさと納税の対象になります。返礼品の調達費3割は地方税法、募集費用の合計5割は総務省告示。全国の実績と、本サイトの費用割合が何を割った数字かを整理します。
指定を受けた自治体だけが対象になる
令和元年6月1日以降、ふるさと納税には指定制度があります。総務大臣が基準に適合した地方団体を、ふるさと納税(特例控除)の対象として指定するしくみです。総務省の解説によれば基準は2つで、寄附金の募集を適正に実施する地方団体であること、そのうえで返礼品を送る場合は返礼割合を3割以下とし、返礼品を地場産品とすることです。指定の対象外の団体へ寄附をしても、特例控除は受けられません。
実際にはほとんどの市区町村が指定を受けています。はっきり対象外とわかるのは東京都です。令和7年度の受入額ファイルの留意事項には、東京都は令和7年度の指定に際し申出書の提出がなかったため、同団体に対する寄附は特例控除の対象外だと書かれています。これは「東京都」という団体への寄附の話で、都内の市区町村はそれぞれ別の団体です。
3割は法律、5割は告示
現況調査の概要資料は、費用の表に2本の線を引いています。返礼品の調達に係る費用には「上限3割(地方税法で規定)」、費用の合計には「上限5割(総務省告示で規定)」。同じ「割」でも、根拠の置き場所が違います。
5割のほうの告示(平成31年総務省告示第179号)は、募集に要する費用の範囲を条文の中で書き出しています。申出書や申告特例の求めに関する事務、寄附金の受領を証する書類に関する事務、当該募集に付随して生ずる事務に要する費用を含めた合計額が、受領する寄附金の額の合計額の百分の五十に相当する金額以下であること。返礼品そのものだけでなく、送料も広報費も決済手数料も、ワンストップ特例の事務も足し合わせて5割、という数え方です。
全国では今どのくらいか
令和7年度の全団体合計は次のとおりです(単位: 億円)。
| 区分 | 金額 | 受入額に占める割合 |
|---|---|---|
| 返礼品の調達に係る費用 | 3,528 | 26.5% |
| 返礼品の送付に係る費用 | 756 | 5.7% |
| 広報に係る費用 | 93 | 0.7% |
| 決済に係る費用 | 196 | 1.5% |
| 事務に係る費用等 | 1,809 | 13.6% |
| 合計 | 6,382 | 47.9% |
受入額は1兆3,314億円で、費用を引いた6,932億円(52.1%)が自治体の財源として残りました。令和6年度の費用割合は46.4%だったので、1.5ポイント上がっています。
費用のうちポータルサイト運営事業者への支払は2,433億円でした。受入額の97.2%にあたる1兆2,947億円がポータルサイトを経由していて、支払総額はそのうちの18.8%にあたります。
本サイトの「費用割合」は何を割った数字か
街ごとのページに出している費用割合は、現況調査の費用合計を同じ年度の受入額で割ったものです。分子も分母も告示の5割と同じ組み合わせなので、5割という線と同じ物差しで見られます。
ただし、総務省が指定の可否を判定した結果そのものではありません。判定は指定対象期間を単位に行われ、その期間は自治体の決算年度と一致しません。現況調査に載るのは各団体が記入した決算見込です。5割に近い数字の街を見ても、それは基準を満たしていないという意味にはなりません。
5割はこれから動く
令和8年度税制改正で、寄附金活用可能額(寄附金のうち地方団体が活用できる財源)の割合を60%以上とし、使途を公表することが決まりました。令和8年の指定から段階的に適用され、令和8年が52.5%、令和9年が55%、令和10年が57.5%、令和11年以降が60%です。概要資料の図では受入額が募集に要する費用と寄附金活用可能額に分かれているので、活用可能額の下限が上がるぶん、募集に使える割合は47.5%から40%へ下りていきます。返礼品の3割は変更なしとされています。
令和7年度の実績が52.1%だったことと並べると、令和8年の52.5%は目の前の線です。
出典: 総務省「ふるさと納税に係る指定制度について」(https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/topics/20190401.html )、平成31年総務省告示第179号(https://www.soumu.go.jp/main_content/000956198.pdf )、「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和8年度実施)」(https://www.soumu.go.jp/main_content/001085011.pdf )。
ほかの読みもの
この記事は総務省の公開資料をもとに書いています。控除の適用は一人ひとりの事情で変わるので、具体的な金額はお住まいの市区町村の案内が確かです。