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決算カードの読み方: 目的別と性質別、4つの指標

2026-09-15 更新

町の決算は1枚のカードにまとまっています。歳入がどこから来るか、同じ歳出を目的別と性質別で2通りに数える意味、財政力指数から将来負担比率までの4つの指標を、総務省の用語の説明にそって読みます。

1枚のカードに1年分の決算

決算カードは、毎年の地方財政状況調査(決算統計)の集計結果を、団体ごとに1枚にまとめたものです。同じ調査から作られた機械可読版が市町村別決算状況調で、本サイトが使っているのはこちらの令和6年度(令和6年4月〜令和7年3月)分です。単位は千円、人口は調査年度の1月1日現在の住民基本台帳人口です。

歳入はどこから来るか

歳入の内訳には、地方税、地方交付税、国庫支出金、都道府県支出金、地方債、寄附金などが並びます。

地方交付税は、国税のうち所得税・法人税・酒税・消費税のそれぞれ一定割合と地方法人税の全額を、国が地方公共団体に交付する税です。普通交付税は、基準財政需要額が基準財政収入額を超える団体に、その差額を基本として交付されます。国庫支出金は、国と地方の経費負担区分に基づいて国が出す負担金・委託費・補助金など。都道府県支出金は、都道府県が市町村に出す支出金です。

ふるさと納税として受け入れた寄附は、この歳入の「寄附金」に入ります。令和6年度の泉佐野市なら寄附金が184億1,798万円で、同市の令和7年度のふるさと納税受入額230億3,860万円とは年度が1年ずれています。

目的別と性質別は、同じお金を2通りに数えたもの

歳出には2つの分け方があります。目的別は、議会費・総務費・民生費・衛生費・労働費・農林水産業費・商工費・土木費・消防費・教育費・災害復旧費といった、何のために使ったかの区分です。性質別は、人件費・扶助費・物件費・補助費等・普通建設事業費・公債費・積立金・繰出金といった、どういう性質のお金として出ていったかの区分です。同じ歳出総額を別の切り口で数えているので、どちらの内訳も足せば同じ額になります。

同じ名前の費目でも中身が違うことがあります。決算カードの用語の説明によれば、公債費は、性質別では地方債の元利償還金と一時借入金利子に限られるのに対して、目的別では地方債の発行手数料や割引料といった事務経費も含みます。

性質別の費目の中身も言葉から受ける印象と少し違います。扶助費は、社会保障制度の一環として各種法令に基づいて実施する給付と、自治体が単独で行う各種扶助の経費で、現金だけでなく物品の提供に要する経費も含みます。物件費は、人件費・維持補修費・扶助費・補助費等以外の消費的な経費の総称で、職員旅費や備品購入費、委託料などが入ります。人件費・扶助費・公債費の3つは任意に削りにくいことから義務的経費と呼ばれ、普通建設事業費は災害復旧事業費・失業対策事業費と合わせて投資的経費と呼ばれます。

4つの指標

指標 何を割った数字か
財政力指数 基準財政収入額を基準財政需要額で割った値の、過去3年間の平均
経常収支比率 毎年度決まって出ていく経費に充てた一般財源が、毎年度決まって入る一般財源に占める割合
実質公債費比率 元利償還金と準元利償還金に係る実質的な公債費相当額の、標準財政規模を基本とした額に対する比率の、過去3か年の平均
将来負担比率 一般会計等が将来負担すべき実質的な負債の、標準財政規模を基本とした額に対する比率

財政力指数は高いほど、普通交付税の算定上の留保財源が大きいことを表します。経常収支比率は高いほど財政構造の硬直化が進んでいることを表し、分母には経常一般財源に減収補塡債の特例分と臨時財政対策債を加えた額が入ります。実質公債費比率と将来負担比率は、実質赤字比率・連結実質赤字比率と合わせて健全化判断比率と呼ばれる4つの指標のうちの2つです。

将来負担比率だけは、数字が出ない団体があります。分子が将来負担額から財政調整基金などの充当可能財源等を引いた額なので、充当できる財源のほうが大きい団体では比率が算定されません。決算カードは数値のない欄をハイフンで示しています。令和6年度の泉佐野市と都城市がこれにあたります。

借金と貯金の残高

比率とは別に、残高そのものも公表されています。地方債現在高は年度末に残っている地方債の額、積立金現在高は基金の残高で、年度間の財源の不均衡を調整する財政調整基金、地方債の償還に備える減債基金、その他特定目的基金に分かれます。街の大きさが違うと額のままでは比べにくいので、街ページでは1人あたりも添えています。

ふるさと納税は決算のどこに出るか

受け入れた寄附が歳入の寄附金に入ることははっきりしています。一方、返礼品の調達や送付にかかった費用が歳出のどの費目に現れるかは、団体ごとの計上のしかたによるため、本サイトでは断定していません。決算は令和6年度が最新で、ふるさと納税の受入額(令和7年度)より1年古い点も、並べて見るときの前提になります。

出典: 総務省「決算カード」(https://www.soumu.go.jp/iken/zaisei/card.html )と「決算カードについて」(https://www.soumu.go.jp/main_content/000803912.pdf )、「市町村別決算状況調」(https://www.soumu.go.jp/iken/kessan_jokyo_2.html )。

ほかの読みもの

この記事は総務省の公開資料をもとに書いています。控除の適用は一人ひとりの事情で変わるので、具体的な金額はお住まいの市区町村の案内が確かです。