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住民税控除で「出ていった」側から見る

2026-09-15 更新

街には、受け取った寄附と、住民がよその街へ寄附して減った住民税の2つの数字があります。令和8年度課税の控除額が何を数えているか、市町村民税分と道府県民税分の分かれ方、年度のずれを見ます。

街には2つの数字がある

ふるさと納税の話でよく出てくるのは、自治体が受け取った額のほうです。けれど同じ街には、もう1つの数字があります。その街に住んでいる人がよその街へ寄附したことで、翌年度の住民税が減った分です。総務省の現況調査はこれを団体ごとに集計していて、ふるさと納税に係る住民税控除額と呼びます。

受け取った額は自治体の会計に入ってきたお金、減った住民税はその街で集まるはずだった税です。向きが逆なので、2つを並べると街の姿が変わって見えます。

令和8年度課税の控除額は何を数えているか

最新の数字は令和8年度課税分です。調査の留意事項によれば、令和7年1月1日から令和7年12月31日までの間のふるさと納税について、令和8年度課税における控除の適用状況を令和8年6月1日時点で調べたものです。全国計は9,524億円、控除適用者数は1,151万人でした。

受け取った額のほうは令和7年度(令和7年4月1日〜令和8年3月31日)の決算見込です。片方は寄附者の暦年、もう片方は自治体の決算年度で、数えている期間が3か月ずれています。街ページで2つを並べているのは、同じ期間の対応を見るためではなく、その街について今わかっている最新の数字を2つ置くためです。

市町村民税分と道府県民税分

控除額は、市町村民税から減った分と道府県民税から減った分に分けて集計されています。道府県民税分はその県の税収が減る分で、市や町の会計からは出ません。街ページの差し引きに「うち市町村民税分」を並記しているのはこのためです。

座間市(神奈川県)の令和8年度課税の控除額は、市町村民税分が4億6,341万円、道府県民税分が3億919万円、合計7億7,260万円です。6対4の分かれ方になります。政令指定都市では比率が変わり、横浜市は市町村民税分373億2,966万円、道府県民税分93億961万円で、8対2です。全国計の9,524億円も、市町村民税分6,233億円と道府県民税分3,291億円に分かれます。

何人が控除を受けたか

控除額と並んで、控除を受けた人の数も集計されています。留意事項によれば、控除適用者数は市町村民税における計数です。令和8年度課税の全国計は1,151万人でした。座間市は11,527人、泉佐野市は10,199人、都城市は9,266人と、受入額の桁が大きく違う3つの街でも、寄附をした住民の数は1万人前後で並びます。

控除額の大小は街の人口に引きずられるので、街ページでは市町村税課税状況等の調から市町村民税の所得割額を持ってきて、その何%が控除で減ったかも添えています。

数字の並び

令和7年度の受入額と令和8年度課税の控除額を、2つの街で並べるとこうなります。

受入額(令和7年度) 住民税控除額(令和8年度課税)
座間市 2,214万円 7億7,260万円
泉佐野市 230億3,860万円 6億8,245万円

座間市は控除額が受入額のおよそ35倍、泉佐野市は受入額が控除額のおよそ34倍です。控除額そのものは2つの街とも6億〜7億円台で近く、開いているのは受入額の側になります。

減った住民税がそのあとどう扱われるかには、地方交付税をはじめ別の仕組みが関わりますが、本サイトでは扱っていません。ここで並べているのは、現況調査に載っている2つの数字だけです。

ニュースで見る数字と合わないとき

現況調査の概要資料には、控除額の上位20団体を並べた表があります。そこに載る横浜市の額は37,330百万円で、これは控除額ファイルの市町村民税分と一致します。本サイトは市町村民税分と道府県民税分を足した額を使うので、同じ街でも数字が違って見えます。どちらの数字を見ているのか確かめてから比べると、行き違いが減ります。

出典: 総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和8年度実施)」の概要および「各自治体の令和8年度課税における住民税控除額等」(https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/archive/ )。

ほかの読みもの

この記事は総務省の公開資料をもとに書いています。控除の適用は一人ひとりの事情で変わるので、具体的な金額はお住まいの市区町村の案内が確かです。