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予算と決算は何が違うのか

予算と決算は何が違うのか

2026-09-27 更新

当初予算、補正予算、最終予算、決算、執行率。同じ年度でも「予算」の額はいくつもあります。令和6年度の国の一般会計と札幌市・座間市の数字で言葉を整理し、国と街で公表される数字が違うこと、予備費が決算に出てこない理由を見ます。

予算は年度が始まる前に決めた使い道の計画で、決算はその年度に実際に出入りしたお金の記録です。ただ、1つの年度の「予算」は1つの額ではありません。札幌市の令和6年度の一般会計には、当初予算・補正予算・前年度からの繰越・最終予算額と、予算にかかわる数字が4つ並びます。ニュースの予算額と決算書の数字がかみ合わないように見えるのは、比べている予算がそれぞれ違うからです。

当初予算から決算までの言葉

札幌市が公表した令和6年度の一般会計の数字を、順に並べます。表の最初の3つを足すと最終予算額になり、決算はその枠の中で実際に使った額です。表の額は、市の資料の百万円単位の値を億円に直したものです。

札幌市 一般会計(令和6年度) 金額
当初予算 12,417億円
補正予算(6回の合計) 411億円
前年度からの繰越 478億円
最終予算額 13,306億円
歳出の決算額 12,303億円

当初予算は、年度が始まる前に議会が議決した額です。年度の途中で物価高への対応などが必要になると補正予算が組まれ、札幌市は令和6年度に6回、合わせて411億円を足しました。前の年度に終わらなかった事業のお金も繰越として加わり、これらを全部反映した額が最終予算額の13,306億円になります。決算は実際に支出した額で、最終予算額に対する割合(執行率)は92.5%でした。残りは、翌年度に繰り越した分と、使わずに終わった不用額に分かれます。

国の令和6年度はどう動いたか

国の一般会計でも同じことが起きています。令和6年度の当初予算は112.6兆円で、決算の支出済歳出額は123兆円でした。決算が当初予算より10.5兆円多いのは、補正予算と前年度からの繰越で、その年度の支出の上限になる額(歳出予算現額)が137.6兆円まで増えたためです。財務省の決算の数字では、執行率は支出済歳出額を歳出予算現額で割って出すので、令和6年度は89.4%になります。

費目によって、この差の出方はかなり違います。主要経費別の公共事業関係費は、当初予算6.1兆円に対して歳出予算現額が12.8兆円、決算が8.4兆円で、執行率は65.7%でした。国債費は当初予算27兆円に対して決算25.7兆円、執行率は99.2%です。当初予算と決算を並べるだけでは、公共事業関係費は予算より多く使い、国債費は予算より少なく使ったように見えます。主要経費ごとの当初予算・決算・執行率は、令和6年度の国の一般会計のページに一覧で載せています。

予備費はなぜ決算に出てこないのか

予備費は、予算を組む時点では見込めない支出に備えて、使い道を決めずに置いておくお金です。国の予備費は憲法第87条と財政法第24条に根拠があり、地方の一般会計では地方自治法第217条が予備費の計上を義務づけています。使うと決まった額は、実際に支出する費目の予算に移されてからそちらで支出されます。このため、予備費の項そのものの決算額は、いつも0円か空欄です。

令和6年度の国の一般会計には、予備費1兆円と、原油価格・物価高騰対策及び賃上げ促進環境整備対応予備費1兆円の、合わせて2兆円が当初予算に計上されていました。決算では、使われてほかの費目へ移った分などを差し引いた予備費の項の歳出予算現額が3,150億円で、支出済歳出額は0円です(予備費のページ)。街の予算でも同じで、令和6年度に全国1,741市区町村が計上した予備費の予算額は合わせて975億円、決算額はどの団体も空欄でした。座間市の場合は予算額1億円に対して、決算額はありません。

街の「予算額」はいつの額なのか

街ごとの予算と決算を全国で並べた資料には、総務省の「予算・決算の対比」があります。人件費・扶助費・普通建設事業費などの性質別に予算額と決算額が並んでいて、本サイトの街ページの予算と決算の章もこの数字です。ところが、札幌市の令和6年度の予算額は12,819億円で、当初予算の12,417億円とも最終予算額の13,306億円とも一致しません。当初と最終のあいだにある、年度の途中の時点の額とみられます。決算額も12,292億円で、全国共通の普通会計という区分で数えているため、市の一般会計の12,303億円と少し違います。

そのため、街の決算を予算額で割った値は、国の執行率と同じ意味にはなりません。令和6年度の全国1,741市区町村の合計は、予算額72.4兆円に対して決算69.1兆円で、95.4%でした。扶助費は予算額17.6兆円に対して決算が17.9兆円で、946団体で決算が予算額を上回っています。座間市も予算額520億円に対して決算511億円(98.2%)で、普通建設事業費は予算額26.1億円に対して決算が29.2億円でした。予算額のあとにも補正が組まれうる以上、決算がそれを上回ること自体はめずらしくありません。

出典: 国の数字は財務省「予算書・決算書データベース」(令和6年度 一般会計の当初予算と決算、https://www.bb.mof.go.jp/hdocs/bxsselect.html )、札幌市の一般会計は札幌市「令和6年度 決算の概要」(https://www.city.sapporo.jp/zaisei/kohyo/zaimu/kenzenka/documents/gaiyo.pdf )によります。街ごとの予算額と決算額は総務省「予算・決算の対比」(令和6年度、市区町村版と指定都市版、https://www.soumu.go.jp/iken/yosan-kessan_taihi/index.html )で、単位の百万円を円に直して足し合わせました。予備費の根拠は日本国憲法第87条、財政法第24条(https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000034 )、地方自治法第217条(https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000067 )を参照しています。

ほかの読みもの

この記事は総務省の公開資料をもとに書いています。控除の適用は一人ひとりの事情で変わるので、具体的な金額はお住まいの市区町村の案内が確かです。