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ふるさと納税で集める街の型。単価・費用・ポータル

ふるさと納税で集める街の型。単価・費用・ポータル

2026-09-28 更新

令和7年度に多くの寄附を集めた街を、1件あたりの寄附額、費用の割合、ポータルサイトへの支払い、令和2年度からの伸びで並べます。泉佐野市、都城市、白糠町、別海町、紋別市、根室市、焼津市、上峰町の集め方の違いを、総務省の現況調査と市町の資料で見ます。

令和7年度(2025年度)にふるさと納税の受入額が100億円を超えた市区町村は14団体ありました。受入額が同じ200億円台でも、1件あたりの寄附額、集めるのにかかった費用、ポータルサイトへの支払い、令和2年度からの伸び方は、街によってかなり違います。全国の市区町村の合計では、1件あたりの寄附額が22,185円、費用が受入額の48.0%、そのうちポータルサイトの運営事業者への支払いが18.1%で、受入額は令和2年度の1.99倍になりました。この4つの物差しで、8つの街の集め方を比べます。

街 受入額(令和7年度) 件数(令和7年度) 1件あたり(令和7年度) 令和2年度からの伸び
泉佐野市(大阪府) 230.4億円 135.2万件 17,044円 10.25倍
白糠町(北海道) 223.3億円 127.6万件 17,496円 2.29倍
都城市(宮崎県) 216.5億円 105.8万件 20,452円 1.60倍
別海町(北海道) 211.5億円 133.8万件 15,816円 141倍
紋別市(北海道) 124.7億円 59.4万件 21,014円 0.93倍
根室市(北海道) 122.6億円 55.3万件 22,189円 0.98倍
焼津市(静岡県) 114.2億円 76.9万件 14,858円 2.19倍
上峰町(佐賀県) 63.1億円 37.3万件 16,921円 1.42倍
全国の市区町村の合計 1兆3,088億円 5,900万件 22,185円 1.99倍

件数で積む街と単価で積む街

令和7年度に100万件を超える寄附を受けたのは、泉佐野市、別海町、白糠町、都城市の4団体です。4団体とも1件あたりの寄附額は全国の平均を下回り、別海町の15,816円から都城市の20,452円までの間に入っています。受入額100億円以上の14団体のなかで1件あたりが大きいのは甲府市(56,290円)、名古屋市(49,602円)、京都市(39,049円)で、件数は18万〜35万件でした。受入額の大きさが件数と単価のどちらから来ているかは、1件あたりの寄附額が大きい街と受入額が多い街を並べると分かります。

都城市は、市のサイト「Think都城」によれば2014年度の10月にふるさと納税を見直し、返礼品を「日本一の肉と焼酎」に絞りました。2016年4月には、返礼品の事業者が運営資金を出し合う「都城市ふるさと納税振興協議会」が20社で発足しています。受入額の全国1位は平成27・28年度と令和2・4・5年度で、令和2年度にはすでに135.3億円を集めていました。1件あたりの20,452円は、100万件を超えた4団体のなかでは最も大きい額です。

人口の小さな町に集まる寄附

白糠町の人口は6,840人(令和8年1月1日)で、令和7年度の受入額を住民1人あたりにすると326.5万円になり、全国の市区町村で最も多い額です。2位は別海町の153.9万円で、全国の中央値は10,584円でした。令和6年度の決算でも、歳入に占める寄附金は白糠町が56.1%、別海町が46.5%に上ります。全国の順位は1人あたりの受入額が多い街に並べています。

白糠町は2015年10月15日に返礼品を送り始め、受入額は平成26年度の0.02億円から平成27年度に1.59億円になりました。北海道新聞は2026年4月、人気1位の返礼品は醤油漬けのサケいくらで、2025年度の寄附額は11年連続で過去最多だったと報じました。問い合わせの窓口の「白糠町ふるさと納税サポート室」は、寄附件数が増えたことから運用を効率化するためとして、シフトプラス株式会社に委託されています。町が掲げる子育て支援の5事業(出産祝い金、18歳までの医療費、保育料、学校給食費、入学支援金)については、町は財源を町内にある80を超える太陽光発電施設による税収と説明しています。

別海町は平成20年度にふるさと応援制度を始め、返礼品は町の説明では、生乳の生産量が日本一の乳製品のほか、ホタテやホッキ、いくらなどです。受入額は令和2年度の1.50億円から令和3年度に24.6億円へ増え、令和7年度の211.5億円は令和2年度の141倍にあたります。ワンストップ特例の受付は、白糠町と同じシフトプラス株式会社に委託しています。

費用の5割とポータルへの支払い

街(令和7年度) 費用の割合 うち返礼品の調達 うちポータルへの支払い
泉佐野市 47.1% 26.6% 19.2%
白糠町 49.7% 24.0% 19.1%
都城市 49.5% 27.1% 15.5%
別海町 49.8% 28.4% 19.7%
紋別市 49.8% 27.8% 11.8%
根室市 49.9% 26.0% 12.0%
焼津市 49.9% 28.6% 10.5%
上峰町 49.8% 27.8% 18.4%
全国の市区町村の合計 48.0% 26.6% 18.1%

泉佐野市を除く7団体は、費用が受入額の49.5〜49.9%で、告示の5割の線のすぐ下に並びます。令和7年度の受入額が1億円以上の1,201団体では中央値が48.6%で、泉佐野市の47.1%はそれより低いほうです。返礼品の調達費は地方税法で3割が上限とされていて、8つの街は24.0〜28.6%の間にありました。上位の街は費用割合が高い街と返礼品の調達費の割合が高い街に載せています。

差が開くのはポータルサイトの運営事業者への支払いで、別海町・泉佐野市・白糠町・上峰町は受入額の18〜20%を払い、紋別市・根室市・焼津市は10〜12%でした。泉佐野市・白糠町・別海町・上峰町は、返礼品の調達費のうち受入額の4.7〜5.8%にあたる額もポータルの運営事業者に払っています。紋別市と根室市は、ポータルへの支払いをほぼすべて「事務」の区分に計上していて、調達の区分にはありません。全国の順位はポータルへの支払いが大きい街に並べています。

焼津市はポータルの運営事業者への支払い(受入額の10.0%)を「決済」の区分に入れていて、決済の費用が受入額の10.1%と、ほかの7つの街の0.1〜1.8%より大きく出ます。費用の区分の使い方は団体によって揃っていないので、街どうしを比べるときは費用の合計とポータルへの支払いの合計で見ると、数字の意味がずれません。市はネギトロを「本市の特産品」と呼び、2025年9月にはふるさと納税の企画として「ネギトロ大漁祭」を開きました。焼津市は2019年5月の指定で、指定の期間を4か月に限られた43団体の1つで、2018年11月から2019年3月に基準に合わない返礼品で集めた額は、総務省の資料では16億円です。

令和2年度からの伸び

全国の市区町村の受入額は令和2年度の6,586億円から令和7年度の1兆3,088億円へ1.99倍になり、別海町は141倍、泉佐野市は10.25倍でした。泉佐野市の令和2年度は、制度の対象から外れていた期間を経て7月に指定を受け直した年で、受入額が22.5億円と小さかったことが倍率に表れています。紋別市と根室市は令和2年度の時点で125億〜134億円を集めていて、それぞれ令和4年度の194.3億円と176.1億円が最も多い年度です。令和7年度は紋別市が124.7億円(令和2年度の0.93倍)、根室市が122.6億円(同0.98倍)で、令和2年度から伸びた街とは逆の動きになりました。

紋別市の返礼品はホタテやカニ、鮭などで、根室市の市長は2023年9月、殻付きのホタテを北海道全体の共通返礼品にする案を知事に提言しています。1件あたりの寄附額(令和7年度)は紋別市が21,014円、根室市が22,189円で、8つの街のなかでは大きいほうです。歳入に占める寄附金(令和6年度)は、紋別市が31.6%、根室市が31.8%でした。

佐賀県上峰町の上がり下がり

人口9,945人(令和8年1月1日)の上峰町は、平成27年度に21.3億円を集め、令和4年度には108.7億円になりました。2019年5月の指定では焼津市と同じく指定の期間を4か月に限られた43団体の1つで、2018年11月から2019年3月に基準に合わない返礼品で集めた額は13億円と総務省の資料にあります。令和6年度は18.6億円に減り、佐賀新聞は、町長が町議会で、広い地域から集めたブレンド米や熟成加工が国の制度改正で返礼品として認められなくなったためと説明したと報じました。令和7年度は63.1億円で、令和2年度の44.4億円の1.42倍です。

出典: 受入額・件数・費用・ポータルへの支払いは総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果」(令和8年度実施、令和7年度実績と平成20年度からの受入額。https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/archive/ )、人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日、https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/daityo/jinkou_jinkoudoutai-setaisuu.html )、歳入は総務省「令和6年度 市町村別決算状況調」(https://www.soumu.go.jp/iken/zaisei/r06_shichouson.html )によります。1件あたりの寄附額、伸び、中央値は、全1,741市区町村の受入額と件数から当サイトで計算しました。2019年の指定は総務省「ふるさと納税指定制度における令和元年6月1日以降の指定等について」(https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/file/report20190514_02.pdf )、街ごとの取り組みは都城市「Think都城」(https://think-miyakonojo.jp/article/1590/ )、都城市ふるさと納税振興協議会(https://miyakonojo-kyogikai.jp/ )、白糠町「ふるさと納税制度」(https://www.town.shiranuka.lg.jp/section/kikaku/furusato.html )と「太陽の手子育て支援」(https://www.town.shiranuka.lg.jp/section/kikaku/h8v21a000000h6j6.html )、別海町「ふるさと納税」(https://betsukai.jp/gyosei/furusato/ )、紋別市ふるさと納税(https://mombetsu.jp/furusato/ )、根室市の政策提言(https://www.city.nemuro.hokkaido.jp/lifeinfo/kakuka/sougouseisakubu/shousikataisaku/16/11284.html )、焼津市「ネギトロ大漁祭」(https://www.city.yaizu.lg.jp/life/tax/shisan-tokei/other-tax/furusato-tax/negitoro.html )を参照しました。報道は北海道新聞(2026年4月21日、https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1303562/ )と佐賀新聞(2025年6月、https://www.saga-s.co.jp/articles/-/1482263 )です。

ほかの読みもの

この記事は総務省の公開資料をもとに書いています。控除の適用は一人ひとりの事情で変わるので、具体的な金額はお住まいの市区町村の案内が確かです。