
市町村税の中身。固定資産税と住民税
2026-09-27 更新
令和6年度に全国1,741市区町村が集めた市町村税は21.3兆円。固定資産税が40.2%、住民税の所得割が38.4%で、2つで8割近くになります。税目ごとの合計、街によって固定資産税の比重が違う理由、住民税の6%・4%(指定都市は8%・2%)の分かれ方を見ます。
市区町村の税収でいちばん大きいのは、住民税ではなく固定資産税です。令和6年度に全国1,741の市区町村が集めた市町村税は21.3兆円で、固定資産税が8.6兆円(40.2%)、個人の住民税の所得割が8.2兆円(38.4%)でした。この2つで市町村税の78.6%になり、残りは法人の住民税や都市計画税、たばこ税などです。
全国の市町村税の内訳
令和6年度の収入済額を税目ごとに足し合わせると、次のとおりです。個人の住民税は所得割と均等割を合わせて8.4兆円で、市町村税の39.3%になります。東京23区では固定資産税と法人の市町村民税を東京都が集めているので、その分はこの表に入っていません。
| 税目(令和6年度) | 金額 | 割合 |
|---|---|---|
| 固定資産税 | 8.6兆円 | 40.2% |
| 個人市町村民税(所得割) | 8.2兆円 | 38.4% |
| 法人市町村民税(法人税割) | 1.2兆円 | 5.8% |
| 都市計画税 | 1.2兆円 | 5.4% |
| 市町村たばこ税 | 9,132億円 | 4.3% |
| 法人市町村民税(均等割) | 3,959億円 | 1.9% |
| 軽自動車税 | 3,283億円 | 1.5% |
| 個人市町村民税(均等割) | 2,006億円 | 0.9% |
| その他(入湯税・事業所税など) | 3,307億円 | 1.6% |
| 合計 | 21.3兆円 | 100% |
固定資産税は、毎年1月1日に土地・家屋と、事業に使う機械や設備(償却資産)を持っている人にかかる税で、令和6年度の標準税率は1.4%です。都市計画税は市街化区域の土地と家屋にかかり、税率の上限は0.3%で、令和6年度に課税額のあった市町村は659団体でした。どちらも所得や利益ではなく、資産の評価額をもとに税額が決まります。総務省の令和8年版地方財政白書は、令和6年度の市町村税(東京都が23区で集めた分を含む)が前年度より1.0%増えた理由に、地価の上昇などによる固定資産税の増加と、企業収益の増加による法人分の増加を挙げています。
固定資産税の比重は街によってどれくらい違うのか
東京23区を除く1,718市町村で、市町村税に占める固定資産税の割合を並べると、中央値は48.6%です(令和6年度)。固定資産税が所得割を上回る市町村は1,553団体で、全体の9割を超える数です。7割以上の市町村は68団体あり、上位には刈羽村(新潟県、90.2%)や高浜町(福井県、84.6%)のように発電所のある町村が並びます。大きな設備は償却資産として固定資産税がかかるので、住民の数が少なくても税収が大きくなります。
反対側に来るのは、所得割の割合が高い街です。兵庫県芦屋市は固定資産税が31.0%、所得割が55.6%でした。人口50万人以上の市では、さいたま市(固定資産税32.7%、所得割47.2%)や横浜市(33.7%、46.4%)のように、所得割のほうが大きい市が目立ちます。指定都市は所得割の税率が市8%・県2%で、一般の市の6%・4%より市の取り分が大きいぶん、所得割の割合が高めに出ます。
東京23区の所得割の割合は、それよりさらに高い水準です。渋谷区の令和6年度の市町村税673億円のうち、所得割が636億円で94.5%を占め、固定資産税と法人の市町村民税は0円でした。23区のこれらの税は東京都が集め、その一定割合が特別区財政調整交付金として区に戻るしくみで、詳しくは地方交付税の記事に書きました。神奈川県座間市は固定資産税と所得割が近い大きさで、市町村税201億円のうち固定資産税が88.5億円(43.9%)、所得割が75.5億円(37.5%)、都市計画税が12.8億円(6.4%)です。
住民税の所得割と均等割
個人の住民税は、所得に応じてかかる所得割と、定額の均等割の2つの部分からなる税です。所得割は前年の所得から出した課税所得の10%で、市町村民税6%と道府県民税4%に分かれ、指定都市では8%と2%になります。均等割は市町村民税3,000円と道府県民税1,000円で、令和6年度からは国税の森林環境税1,000円も一緒に納めます。市区町村の税収になるのは、このうち市町村民税の分だけです。
令和9年度の住民税で、年収500万円・独身の給与所得者を例に計算すると、課税所得は238万円で、所得割は調整控除を引いて235,500円になります(このサイトのシミュレーターの前提で計算)。一般の市に住んでいれば市町村民税が141,300円、道府県民税が94,200円で、指定都市なら188,400円と47,100円に分かれます。合計は同じでも、住んでいる市に入る額は指定都市のほうが47,100円多くなる計算です。均等割と森林環境税の5,000円を足した合計は240,500円でした。
令和6年度の所得割は、定額減税の影響を受けた年の数字です。令和6年度分の住民税は、前年の合計所得金額が1,805万円以下の人について、本人と控除対象配偶者・扶養親族1人につき1万円が所得割から差し引かれました。減った分は国の地方特例交付金で埋められ、白書によれば令和6年度の定額減税減収補塡特例交付金は都道府県と市町村を合わせて9,233億円です。この交付金は決算では地方税ではなく地方特例交付金に入るので、令和6年度の所得割8.2兆円には含まれません。
出典: 税目別の金額は総務省「地方財政状況調査 市町村分 調査表」(e-Stat、令和6年度決算、https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?layout=datalist&cycle=7&toukei=00200251&tstat=000001077755&tclass1=000001077756&tclass2=000001077757&tclass3val=0 )の市町村税の徴収実績(収入済額)を全国1,741市区町村について足し合わせたもので、人口は「住民基本台帳に基づく人口」(令和8年1月1日現在)です。税率は地方税法第35条・第38条・第310条・第314条の3・第350条・第702条の4と森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律(e-Gov、https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 )、年収500万円の例は本サイトのシミュレーター(令和8年中の所得に対する令和9年度分の規定、社会保険料は年収の15%と置いた計算)によります。市町村税の増えた理由と定額減税の交付金は総務省「令和8年版 地方財政白書」第1部3(https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/hakusyo/chihou/r08data/2026data/r08czb01-03.html )、定額減税のしくみは総務省「個人住民税における定額減税について」(https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/02zeimu04_04000129.html )を参照しました。
ほかの読みもの
この記事は総務省の公開資料をもとに書いています。控除の適用は一人ひとりの事情で変わるので、具体的な金額はお住まいの市区町村の案内が確かです。


